前回の記事、

子どもへの制裁①


の続きです。

その日のうちにどうしても監督と話をしておきたく、練習終わりを待って児童センターに行きました。
さすがに険しい表情を浮かべておりましたが、話を聞いてくださいました。

まずは私から、

「今回の件については申し訳ありませんでした。ななとから事情は聞きました。
人としてやってはいけないことをしてる以上、親として、特にななとはリーダーでもあるので、黙っているわけにはいきません。
私としては、監督や先生方の指導うんぬんではなく、親の教育、子育てについての問題だと思っておりますので、
子ども達への制裁は私に任せて頂きたい。」

「口では言い聞かせてはきましたが、今までもこういうことはたくさんあったかと思います。
その度に子ども達に話し合いさせたり、謝って終わりということが多かったと思いますが、
今回はそれで終わりにさせたくないし、しちゃいけないと思います。
私としてはきちんと罰を与えたい。」

「具体的には、明後日イベント出演がありますが(舞台が狭いため選抜となっていました)、それも出なくていいと思っています。ただ、今からメンバー変えることで、依頼主からの色々な要望もあるようなので、依頼に応えられず、こちらの都合で依頼主に迷惑がかかることは避けたい。
依頼にお応えするというのは、それはそれで教えなきゃいけないことなので、依頼はきちんとこなした上で、その後、練習をしばらくお休みというか、見学のみにさせてください。」


私としては、二人が大好きな一輪車の練習を取り上げるつもりでした。
みんなが練習しているところを黙って座って見ていろ、と。

それを受けて監督は、

「私も怒っているというよりは、がっかりしている気持ちの方が大きい。
私の指導が間違っていたんじゃないかと思って、肩の力が抜ける。
私も罰は与えたほうが良いとは思う。
ななとはリーダーだから、「リーダーがなにやってんのよ!」って怒られる場面も多いけど、でも良いところもあるんだって!
今日もずっと下の子の練習に手を貸してくれてて、言葉掛けしてくれてた。」

「罰っていってもどうすればいいかな~。
お父さんがそうしたいなら、二人はそうさせてもいいけど、ただ、じゃあ他の子ども達はどうなるの?ってことになるからね~」


「そこなんですよね。ななととあゆとが見学してて、じゃあ他の同じことしてた子は?ってなると、そのバランスも考えなきゃいけないですし。
私はとにかく罰を!ってことで、一輪車取り上げることしか思いつかなかったんですよ、頭に血が上ってて。
でもはたして、単に好きなことを取り上げるのが罰になって、それで心から反省するのか?って考えたら、正直疑問に思うとこも実はあるんです。」


「分かるよ~、私もそうなることあるし!
でもさ、確かに好きなことを取り上げることが反省に繋がるとは、一概に言えないとこもあるよね。」


ここから、じゃあどうすればいい?こうしてみては?
また、○○についての対応は?こうしてみてはどうでしょう、ああしてみてはどうでしょう、というのを、しばらく二人で話し込みました。

そうしてるうちにどちらも気持ちが落ち着いてきて、

「話しにきて良かったです。一人で考えてると、カッカカッカしてて一輪車辞めちまえ!とか怒りで単純にしか物事考えられなくなってて。」

「私も、どうすればいいんだろうって思ってたけど、話したおかげでまだまだ子ども達のために頑張らなくちゃいけないと思えてきたよ!
これからも子ども達のために力貸してね、色々あるけど一緒に頑張っていこう!」


この監督。
一輪車界のレジェンドと言ってもよいでしょう。
一輪車演技の礎を築いてきた木村笑子監督です。
私が新卒で豊田に勤めて以来のお付き合いで、当時は付き合ってた彼女にフラれた!っちゃー自宅にお邪魔して泣いて慰めてもらったり(笑)、結婚した際には児童センターで結婚式を開いてもらったり、今はななととあゆとがお世話になってて、本当に公私ともにお世話になりっぱなしで、足を向けて寝られない方です。

ただ、そんな木村先生と言えど、一人で深く考えていると間違った結果を招くことになりかねず、
一人より二人でざっくばらんに話しをしたほうが広い視野で物事をとらえることが出来ます。
だから話をするって大切なんですよね。

上の会話も大分端折って書きましたが、実際はもっと色んな角度から、たくさんのことを意見交換しました。

で、最終的には、今回のことは木村先生が○○からも話を聞いてみたいこともあり、
クラブ全体のことでもあり、「私にちょっと任せてみて!」ということなので、お任せしてみることにしました。
それはそれで、私は親として息子二人と、○○に対して出来ることもあるので、了承してお任せすることにしました。

・・・そんなこんなで結局1時間位話し込んでしましたが、
家に帰ると、まだ子ども達は起きていました。

「ただいま。」

って2階に上がって着替えしてると、ななとが一人でやってきました。

「寝てなさいって言ったでしょ?もう遅いよ、早く寝なさい。」

木村先生と何話したか気になってて、まだ起きてたんだろうとは察しがつきましたが、内心「何言いにきたのかな?」と思いました。
すると突然、ななとがぶわっと泣きだし、

「さっきは、ご、ご、ごめんなさい・・・
ななともあゆとも、わ、悪い子に育ってな、ないのに、
お、お父さんの育てかたも全然間違ってないのに、
お父さんにそのことであ、謝らせてご、ご・・・ごめんなさい!・゚・(ノД`;)・゚・」


思いがけないその言葉を聞いた私も号泣(笑)

「悪い子に育ってないって、それお父さん信じてもいいの?
○○に言っちゃいけないこと言った二人は悪い子に育ったんじゃないの?

・・・

でもこうゆう風に謝りにこれるってことは、100%悪い子になったわけじゃないってことだよね?
だったらこれからもお父さんはずっと二人のこと大きくなるまで見ていくんだから、
その言葉をお父さんが信じられるような男になれ!分かったか!!」


「・・・はい!・゚・(ノД`;)・゚・」

立って泣いたままのななとを抱きしめてやりました。
そのままずっと泣いてたけど、ぼんやりと、

「かなり応えただろうな。でもちゃんともう一回○○と向き合ってごめんなさいしてこいよ」

と考えると同時に、一輪車辞めちまえ!とか思ってた気持ちも薄れていきました。
親って自分の子にはどうしても甘い・・・。
でも今回の記事のタイトル、「子どもへの制裁」っていう意味では、
その子にとって何が、どうすることが一番の制裁になるのか、
単に罰を与えるだけではいけなくて、まだ子どものうちは、その後のことまで考えなくちゃいけないんだ、ということを、私自身も改めて考えるきっかけになった、今回の事件でした。

私の親としての制裁は、このななとの謝罪をもって終わりであると思いました。
もちろん、今後も目を見張っていくのは当然のことで。

これが先週木曜日の話。
そして金曜日は木村先生が○○とお話しをしたそうで、
土曜日に児童センターとしてみんなを集めてお話したようですが、
私が思いもよらない方法で指導をしてくれていました!

今回も長くなったので、あと1回だけ記事を分けることにします。
続くっ!